危険!オオスズメバチ 猛暑で異変…巣が“巨大化” ハンターも驚き【詳細版】【もっと知りたい!】(2023年10月13日)

 今年はスズメバチによる被害が後を絶ちません。春先からの異例の暑さによって、スズメバチの巣が巨大化し、凶暴化しています。ハンターの駆除作業に同行しました。

■闇夜も活動する“忍者スズメバチ”

 まず向かったのは、田んぼの先にある閑静な住宅街です。

 1週間前、依頼者の親族が草刈りをしている時に、突然ハチに刺されたといいます。

 依頼者:「多分、木の根元あたりだと思うんですけど」
 スズメバチハンター 松原暢明さん:「あ!今出ましたね。ほんとだ」

 現れたのは、「モンスズメバチ」です。

 モンスズメバチは、体長2.5センチほどの中型のスズメバチ。唯一、スズメバチの中で夜も活発に動き回ります。

 松原さん:「人目につかないところに巣を作る。だから表に出てないですね。巣が見えないからこそ危ない」

 異変を察知したのか、2センチほどの木の幹の隙間から次々と飛び出します。

 松原さん:「ババババンと出てきますね。すごい数いるじゃん」

■モンスズメバチと20分格闘し…駆除成功

 早速、駆除に取り掛かります。

 まず、巣の入り口に金網をセットして、巣から出てくるハチたちを網で捕獲していきます。

 するとすぐに、巣を守ろうとスズメバチがハンターを取り囲みます。

 網の中をのぞくと、瞬く間に大量のスズメバチが入っていました。

 松原さん:「飛んでいるハチは捕まえるしかないですね」

 外に出てきたハチは虫取り網で捕獲します。

 松原さん:「結構いますね、数がね。いますね、ほんとに」

 格闘すること20分。

 松原さん:「煙幕で中のハチを弱らせます」

 最後の抵抗をするモンスズメバチ。チェーンソーで木の幹を切り開くと…。

 松原さん:「ここだ、ここ」

 無事、巣の駆除に成功。捕まえたモンスズメバチはおよそ400匹。7段にもわたる巣を作っていました。

 松原さん:「みんな捕まえちゃったんで」
 依頼者:「ありがとうございます」

■危険度↑ 春から気温が高く…早めに巣作り開始

 こちらは、巣が作られておよそ1カ月後とみられるモンスズメバチの巣です。まだソフトボールほどの大きさですが、成長すると、倍以上になります。

 松原さん:「(巣作りの)始まりの春が暑い日が続いて、ハチの巣作りが早まってたんで。その影響で、いつもこの時期だともう少し小さいものが大きかったり、ハチの数が多かったりというのは感じています」

 今年は春から気温が高かったため、早めに始まったというスズメバチの巣作り。実際に巣は巨大化し、ハチの数も増えていて、危険度も例年になく増しています。

■キイロスズメバチ…おびき寄せ作戦で駆除

 続いて向かったのは、畑がそばにある住宅街です。その畑に巣があり、今が旬の栗拾いができないため駆除を依頼しました。

 松原さん:「いるじゃん。その辺だね。この中じゃない、丸太の」

 巣は草の下に埋もれている丸太の中。出入りしているのは、黄色い色が特徴のハチです。その正体は、「キイロスズメバチ」です。

 キイロスズメバチは、都市に順応するハチで、人の住んでいる所に近づきます。攻撃性が高く、特に気を付ける必要があります。

 松原さん:「敏捷(びんしょう)性がすごくて、集団で襲いかかってきますね」

 ここではスズメバチが「動く黒い物体に集まる」習性を逆手にとった作戦を取ることにしました。黒い手袋を身に着け、掃除機の先を黒く塗り、吸い込み口にスズメバチをおびき寄せます。

 巣は5段にも及び、300匹のキイロスズメバチを駆除しました。

■依頼者「刺された」 オオスズメバチの駆除作業中

 次は埼玉県白岡市に向かいました。

 スズメバチの中でも、最も大きく攻撃性が高い「オオスズメバチ」の駆除依頼でした。

 依頼者:「草刈り業者が草を刈っている時に、そばまで行ったら出てきちゃったって言うので。危ないから」

 オオスズメバチは、世界最大のスズメバチで、体長は5センチにもなります。キイロスズメバチと比べると、大きさはおよそ2倍。毒の量も多く、毒針も長いもので7ミリほどあるといいます。

 現場は、川沿いの斜面。生い茂った草に覆われ、どこに巣があるのか分かりません。

 スズメバチハンター 田迎真人さん:「そこだ、そこ。(巣に)入ってきた」

 異変を察知したオオスズメバチがハンターを襲います。まずは網でハチの数を減らしていきますが…。

 ハンター:「すげえ数だな。減らないよ減らない。これ相当でかい。この時期で、この勢いはほんと珍しいよ」

 オオスズメバチが激しく抵抗します。その時…。

 ハンター:「えっ刺された?」

 駆除を遠くで見守っていた依頼者に異変が…。

 依頼者:「(Q.刺されました?)はい」「(Q.痛かったですか?)痛かった。背中がチクッとして」

 急いで専用の毒吸引機で毒を抜き、水で洗うこと7回。大事には至りませんでした。

■「でかい!」ハンターも驚き 日没まで格闘

 日が落ちても駆除作業は続きます。煙幕で残りのハチを弱らせ、草を刈り、ようやくハチの巣の場所を特定。すると…。

 ハンター:「これだこれ。巣見えましたね」「うわー!!でかい!(直径)50センチで。1、2、3、4、5、6段だよ」

 現れたのは、直径およそ50センチ、6段にも及ぶ巨大な巣でした。駆除したハチは、その数なんと800匹です。

 ハンター:「すごい戦いでしたね。いつ(駆除が)終わんだってくらいハチが出てきましたね。もう少しで1000(匹)だよ。こんなにデカいとは思わなかった」

 例年よりも巨大化するスズメバチの巣。専門家は注意を呼び掛けています。

 玉川大学 農学部 小野正人教授:「10月のこの季節は、ハチの巣はとても大きくなっています。巣に近づかないということが身を守るうえで一番重要なので、プロに駆除してもらうことがすごく大切だと思います」

(「グッド!モーニング」2023年10月13日放送分より)
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